Vol.899 母の思いを孫へ受け継いでいく
母は、私が高校生のときにくも膜下出血で倒れ、その後、20年近く今までとは違う人生を歩み、他界した。
3月に他界したので、その年の母の日はとても悲しく、デパートのエスカレーターで母の日の広告を見て泣きそうになったことを思いだす。
今年の母の日。娘も母となり、私は、2人の孫を持つ。
そして、母を思い、母が大切にしていたことを孫の代へ受け継いでいこうとふと閃いた。母は、このコラムにも何度も書いているが、お料理が得意で食器にこだわり、ご飯の時間は味だけではなく見た目もこだわっていた。
地元の陶器、砥部焼の器もたくさん買っていた。
先日、ランチの帰りに引き寄せられるように入った食器の問屋さんのようなお店。
そこに、母が集めていた砥部焼の器がずらりと並んでいた。お店の方に、母が好きだったことを伝えると、「そうそう、その当時、ものすごく梅野さんの陶器が人気で、大阪で展覧会開いたんよ。いろいろ集めるのに一苦労だった」と話してくださった。
当時の食卓が思い出され、懐かしくなった。最近、お料理を作ることに楽しみを感じていて、無添加の調味料や麹が多いお味噌を選んだり玄米ご飯にしたりしている。
母の食卓を孫の代へ。受け継いでいきたい。母が手際よく何種類ものお料理をしている姿を思いだし、どんな気持ちでつくっていたのだろう、何を大切にしたかったのだろうと想像している。愛と思いやりという言葉が浮かんできた。
母の日に。ママ、ありがとう。
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