美術館に行って初めて涙が溢れた。

島根県浜田市にある石正美術館。没後一年回顧展「石本  正   魂の軌跡」が開催されている。95歳で逝去される直前まで描き続けられたと伺った。「もう描きたいものが浮かんでこなくなった」と語って間もなく逝去されたと知った。

心に浮かぶものを最期まで描きつくして、この世をあとにしたと知った。絵に魂が宿る。荘厳な空間。この場に居ること自体、心が揺さぶられた。生を受けた時に自分の使命は決まっているのかもしれない。それを全うすること。

「心で描く」ということをとても大切にし、対象と向き合って、感動と主観を大切にしながら描く。鋭い洞察力で追求されたとのこと。

女優の桃井かおりさんは、「死ぬまで女優でありたい」と話されていた。最後の役は、棺桶の中の役かも・・・と。そういう話を聞くと、涙が溢れる自分がいる。

仕事とは、尊い。辞書で引くと、「生計を立てる手段として従事する事柄。職業」である一方で、「したこと。行動の結果。業績」とある。命が尽きるまでしたことが仕事。

一度しかない人生。命が尽きるまで何をするか、どう毎日を送るかは自分で決められる。今、していることをやめることも出来るし、今、していないことを始めることも出来る。

自分の物語は自分で描ける。覚悟を決めて一筆めを描こう。